一般歯科 |
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みなさんは“プラーク(歯垢)”ってどんなものかご存知ですか?テレビのコマーシャルで耳にする言葉だと思いますが、実際はあまりよく知られていないのが現状です。プラークは「食物のカス」だと思っている人が大半ですが、実は細菌(ミュータンス菌、ラクトバチラス菌など)の塊なのです。その細菌は元々、みなさんのお口の中にいた菌で、みなさんが食事をするたびに歯の表面にくっついて増殖していくのです。その歯の表面にくっついた細菌のかたまりのことを“プラーク”といいます。
歯はとても硬いですが、弱点を持っています。それは酸に溶けやすいことです。歯の主成分であるリン酸カルシウムは酸によって溶け出していきます。これを脱灰といいます。みなさんが食事をすると、プラーク内の細菌が砂糖や炭水化物を分解し、酸を産生します。その酸でプラークのついた歯の表面が徐々に溶かされていく(脱灰)のです。この状態が続く(ある程度の時間が必要)と虫歯が出来ます。
■ステファンカーブ 砂糖水でうがいをしたときのプラーク内の ph (酸性・アルカリ性を示す単位。1(酸性)〜7(中性)〜 14 (アルカリ性)青線は 0.1 %、赤線は5%の砂糖水の場合。市販の清涼飲料水は約 10 %の糖分が含まれています。砂糖水を飲むとお口の ph はどんどん下がっていき、 2 分で最低値を示します。赤の帯の部分が乳歯や生えたての永久歯が溶け出す ph で、紫の帯の部分が永久歯が溶け出す ph です。
虫歯予防にとって最大の敵は甘い食べ物、つまり糖分です。細菌は砂糖を分解して酸を作ります。そのため食事をした後のプラークの中は酸性状態になり、歯の脱灰が促進されます。しかし甘い食べ物を食べなければ虫歯にならないかと言えばそうではありません。
わたしたちは主食としてごはん、もしくはパンなどのでんぷんを食べます。でんぷんはだ液の働きによって糖に変えられ、それが細菌のエサになります。食事をとると必然的にプラークの中が酸性になります。つまり、食べる量には関係なく、回数に関係するのです。
わたしたちは生きていくために1日で3回食事をします。これ以外にもエネルギーの補給や娯楽のために間食をします。このことは悪いことではありませんが、食べる回数を減らすことが大切です。「だらだら食べ」はいけません。歯は1日のうち食事のたび、脱灰、再石灰化(脱灰した部分をうめる)を繰り返しているのです。間食が多いと酸性状態で脱灰ばかりが続き、歯が再石灰化することができません。
最初は冷たいものがしみたり、甘いものがしみたりします。そのうち何もしなくても激しく痛むようになります。このとき虫歯は歯の神経に達しています。このままの状態を放っておくと、やがて痛みは消えます。このとき歯の神経は死んでしまってます。しばらく痛みは出ない状態が続きますが、再度激しい痛みが出ます。このとき虫歯は歯を通り越して、顎の骨にまで進んでいます。
歯ブラシが届きにくく、磨き残しが多いところが虫歯になりやすいです。
知覚過敏という状態になったときに痛むときがあります。「歯ぎしり」や「噛みしめ」が続いたり(このことは自覚していない人がほとんどです)、歯ブラシを強くあてすぎたりすると、歯は少しの刺激で痛みを感じるようになります。冷たいものがしみたり、歯ブラシのときしみたり、噛むと痛みを感じたりします。
あと神経をとったあとの歯でも痛みを感じることがあります。それは歯の根の先に病気ができたときです。熱いものがしみたり、噛むと痛むことが起こります。
虫歯は虫歯菌のよっておこる感染症です。齲蝕原性菌といわれるミュータンス菌は、乳歯が生えそろう3歳ぐらいまでに母から子へ感染するといわれてます。だからお子さんのお口の中は、保護者のお口の状態がかなり影響します。しかし虫歯菌がうつったからといって、すぐに虫歯になるわけではありません。
基本的に虫歯治療は、虫歯の部分を除去して人工の材料で歯の形を復元するという方法をとります。虫歯の進行度によって治療法は多少異なります。
虫歯が神経に達していなければ、治療回数は1,2回ですむことが多いです。神経に達していれば、神経の治療を先に行わなければならないので、治療回数は、5,6回になります。
神経を通り越して、顎の骨の部分まで虫歯が達していれば、場合によっては歯を抜くこともあります。歯を抜くための治療回数は、1,2回ですみますが、歯を失った部分で噛めるようにするための治療が不必要になります。
虫歯になってしまった場合は、早期発見・早期治療がベストです。削る部分も、治療回数も少なくてすむからです。
歯の治療というのは先程も述べましたが、「虫歯のところを削って人工の材料をつめる」ということをします。しかし残念なことに、治療した歯は、「マイクロギャップ」といって天然の歯と人工の材料の部分の境目にわずかな“すき間”ができてしまいます。もちろん、材料の部分が虫歯になることはありませんが、この“すき間”から虫歯になる可能性が非常に高いのです。これは歯を人工の材料ですべて覆ってしまっても必ず“すき間”はできます。おかしな話ですが治療した歯ほど、虫歯に気をつけなければなりません。
だからみなさんは治療が終了したら、予防に力をいれていただくのが良いと思います。
虫歯は自然治癒しない疾患です。時間の経過とともにどんどん進行していきます。あまりにひどくなると、歯の治療だけではすまないこともあるので、注意が必要です。
歯を支えている周りの組織(歯ぐきや骨)が病気(炎症)になることです。簡単には、虫歯は歯がとける病気、歯周病は歯を支えている骨がとける病気と考えてください。患者さんの生活習慣がとても影響する病気で、特徴は無症状に進行することです。そのために発見が遅れ、歯がぐらついてきたときには病気がかなり進行しています。
歯周病の原因は、歯垢(プラーク)です。虫歯の原因菌とは種類が異なりますが、同じ歯垢によって起こります。「虫歯のでき方」のところでも述べましたが、歯垢は細菌の塊です。その歯垢が歯と歯ぐきの境目についていると、歯垢に含まれる有害物質(細菌や細菌の代謝産物)が刺激となって、歯肉や骨に炎症が起こります。
「蚊」に刺されると皮膚が赤く腫れますが、それと同じ状態が歯ぐきにも起こっているのです。
歯周病の原因は歯垢なので、歯磨きをしても歯垢が残っていればどんな人でも歯周病になります。生活習慣が非常に影響する病気で、例えば 1 日 1 回歯磨きをするとしても、就寝前にするのと、起床時するのとでは、後者のほうがはるかに歯周病にかかりやすくなります。また喫煙や糖尿病、妊娠、薬剤の服用の有無により、歯周病のかかりやすさは変わってきます。
歯周病は軽度のものを含めると成人の約 8 割がかかっているといわれます。
歯周病の初期症状は歯肉腫脹と歯肉出血ですが、進行すると歯を支えている骨(歯槽骨)がとけてしまいます。「家」の周りの土地がやせてくれば、家は傾いてきます。それと同じで、歯槽骨がやせてくれば歯はぐらついてきて、やがて痛みもなく抜けてしまいます。
最近、歯周病の原因菌が全身にも影響している(動脈硬化、糖尿病の悪化、早産、胃がん)可能性が指摘されています。
歯周病は、痛みもなく命にかかわる病気ではないので、治療を先送りにしている人もいますが、放置しておくといずれ歯は抜けてしまいます。入れ歯になると、歯ぐきの一部を覆うことになるので(歯ぐきにも味覚が存在する)味もわかりにくく、ものを噛む感覚が脳に届かず、脳の働きにも影響を及ぼします。
治療は原因となる歯垢や歯石(歯垢がかたまったもの、軽石の細かい穴に生きた細菌が住み着いた塊を想像してください)の除去し、その状態を維持することです。歯石や歯垢などの有害物質が除去されれば、あとは人間の免疫力で歯ぐきの腫れや出血は無くなります。
歯科医院では歯石を取る以外に、歯石を突きにくくする処置( PMTC →予防歯科参照)をしたり、歯磨きのポイント(磨きにくい場所の確認、歯ブラシや歯磨き剤の選択法など)を指導させていただきます。
歯周病治療では歯科医院での処置も大切ですが、ご家庭での歯磨きが非常に大きなカギとなります。定期的に歯科医院を受診していても、家での歯磨きができていなければあまりよくなりません。
歯周病によりとけてしまった骨は元に戻らないので、とけないようにすることが大切です。治療より予防です。 40 歳をすぎたら定期的な歯周病のチェックは行うようにしてください。
0〜5点:軽度 5〜 25 点:軽度〜中等度 30 点以上:重度
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